| 天使に全てを灼かれた少女
タニィ半天使。極稀に観測される、『ネツィヴ・メラー』に遭っても生き残った人間の少女。
その中でも、一部の人間に発現する『天使に冒された人間(ネフィリム)』である。
見た目は人間と変わらないが、いずれ背中から羽根が顕現し、天使と同じになる。
まだ人間ではあるが、天使として処理されたもの。背中に小さな翼を持つ。
年齢相応の娘だが、ネツィヴ・メラーの際に人間としての記憶の全ては焼かれてしまった。
大人しく礼儀正しく、元々は育ちの良い人間であると予想されるが、今となっては分からない。
己の立場を受け入れているが、他の天使たちに対して同情的。無意識に神に祈る癖がある。かつては信心深かったのだろう。
人の祈りなど、天に届く訳がないというのに。
「何故祈るのか……ですか?分かりません。分からないから、祈るのだと思います」 |
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| 地上に堕ちた無垢な天使
イノ真正の天使。無垢であり、少女であり、しかし本当の意味で真理を内包する。
出会った当初から主人公を『お父様』と呼ぶが、何故そう呼ぶかは本人も理解していない。
失われた記憶に、その理由があるようだが……。
受肉して、天界へ帰る手段を失った天使は、地上で生きなければならない。
故に、必死に人間界での処世術を学ぶ必要がある。
そのため、性への興味や探究心を人一倍示し、未熟ながらも好奇心旺盛に様々な事を学んでいく。
その一方で、彼女は誰もが心に抱える傷を、愛しいと思う。彼女の歌声は、全ての魂の虚飾を剥ぎ取り、癒す。
その彼女の姿は、主人公がかつて失ったかけがえのない少女と瓜二つである。
「どうしたの?まるで道が分からなくて泣いているみたい」 |
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| 灰色の館に仕えるメイド
ピティ主人公の下に貸し与えられている、かつて天使だった侍女。
屋敷の維持や管理、家事全般と簡単な医療行為を担当する。
すでに過去に堕天の**を施されており、その翼の色は深い漆黒。
主人公の過去を知る数少ない人物の1人。
『灰色の館』の運営者である黒い老人から、ヨシュアをサポートし、同時に監視するようにも命じられている。
長い年月を経て彼女もまた、主人公のように世界に対して一種の傍観のような境地に達してしまっている節もある。
「笑うようなことが……ありませんから。それだけの事です。ヨシュア様」 |
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| 豪商の貴婦人
スイ『黒い老人』から要請され、錬金術に関係した**の道具をヨシュアに売っている商人。
本来は夫が仕事をしているのだが、ヨシュアの元にはわざわざ彼女が顔を見せる。
妖艶な人妻で、何にも興味を示さないヨシュアを妙に気に入っているらしい。
時折灰色の館に顔を出しては、ヨシュアのことを気にかけてくる。
「別に、ちょっと妬んでいるだけよ。あぁフォル……またヨシュアが相手にしてくれないわ、残念よねぇ」」 |
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| 堕天使の少女
フォル女商人の子飼いの堕天使。
女主人から面白半分に無理難題を言いつけられることもあるが、おおむねは可愛がられているようで、彼女によく懐いている。
快楽に対してもそこそこ積極的で、人間の世界で生きる事に楽しみを見いだしている。
元はヨシュアに預けられ堕天の**を受けて『堕天使』となった彼女を、スイが高額の資金を提供して身請けした。
「スイ様っ、だ、ダメですよぉ、真面目な話の最中なんですからっ、ちゃんとお聞きしないと……っ」 |
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| 主人公
ヨシュアまるで己を罪人と示すかのように、黒いローブに身を包んだ青年。
削れた雰囲気で、いつも苦しいような、寂しいような目をしている。
大柄だが、あまり怖い印象を抱かせない。疲れた老人のようだと言う者もいる。
背中に二対の引きつれた大きな傷があるが、誰にも見せない。
『贖えぬ罪人』の二つ名を持ち、時折自嘲するように自らをそう呼ぶ。
『灰色の館』で、天使を堕天させる**師として生計を立てるが、全てに対して諦めたような雰囲気で接する。
天使が暴発しても塩の柱にならないという、特異な体質を持つ。ただし、その事実は秘中の秘とされている。
「翼の色が黒く染まった時、君は人間にとって無害で、そして使い勝手の良い道具になるんだ」 |
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| 慇懃無礼な黒の紳士
黒い老人研究機関『魂魄の炉(アブラクサス(Abraxas)』という組織に属している不気味な老人。
黒のインバネス、山高帽にサングラス系の丸眼鏡で、表情と真意を悟らせない。
『灰色の館』とそこに居るヨシュアを管理して『堕天使』を世に送り出し、貴族などの金持ちに提供して莫大な資金を得ている。
しかし、その本心は窺い知れず、本当の目的も何もかも曖昧に見える。
「さて……、始まりましたぞ。皆様の望み通りに天使の堕落する瞬間が、今まさに……!」 |
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